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成功者の要素とは何か

■序論

人生で成功を収める人々が、一般的な人たちと何が異なるのかは、長年にわたる大きな疑問です。成功者というと、特別な才能を持っている、あきらめない粘り強さ、長時間の労働、他人がやらないことに挑戦するなどのイメージがあります。

 

しかし、これらの要素が実際にどれほど成功に寄与しているのかは、一概に言えない部分があります。最も成功した人々が必ずしも最も有能であるとは限らず、逆に失敗した人々が無能であるとも限りません。

 

目次

 

才能について

まずは、才能がどれだけ人生に成功を及ぼすのか

調査した結果を紹介します。

 

  • 4月に生まれた人は、その年の遅くに生まれたクラスメイトよりも12か月近く成長が早いため、人生に大きな影響を与える可能性が高い

英国での研究によると、学年の初めに生まれた人は学業の成績も良く、より自信を持っていることがわかっています

その他

  • 世界中の人々の収入の差の約半分は、居住国とその国内の収入分布によって説明されます。
  • 苗字のアルファベットが早い人はトップ部門で終身在職権を獲得する可能性が高い
  • ミドルネームのイニシャルを表示すると、人々の知的能力や業績に対する肯定的な評価が高まります。
  • 発音しやすい名前の人は、発音しにくい名前の人よりも肯定的に評価されます。
  • 6月と7月に生まれたCEOの数は他の月に生まれたCEOの数に比べてはるかに少ない
  • 男性的な響きの名前を持つ女性は、弁護士としてのキャリアで成功することが多い。

以上のようなものがあります。

IQについて

IQは100年以上にわたって認知機能の尺度として扱われています。学校での成績、仕事、その他人生の成功の多くの側面で役に立ち、とても価値があるものだと考えられています。

 

IQは基本的に正規分布に従います。

 

IQは基本的に正規分布に従うと言われています。図のような形です。

100辺りが平均値で、この辺りのIQの人が最も存在しています。

110~130以上だと頭の良い人だと思われることが多い部類になります。

東大生の平均的なIQは120程度だと言われています。

 

IQスコア範囲 分類
130以上 非常に高い
120 ~ 129 高い
110 ~ 119 平均の上
90 ~ 109 平均
80 ~ 89 平均の下
70 ~ 79 境界域
69以下 非常に低い

79以下だと、知能障害だと判断される可能性があります。

IQスコア範囲 知的障害の程度
50 ~ 69 軽度知的障害
35 ~ 49 中度知的障害
20 ~ 34 重度知的障害
19以下 最重度知的障害

*WHOが定める知的障害の程度・判定基準としての利用

 

ではIQは一体何に役に立つのでしょうか。

成功にどの程度貢献すると考えれるのでしょうか。

 

以下の二つの観点から考えていきます。

・勉強

・仕事

 

勉強面

IQが高い人は論理的思考、学習能力、創造性、記憶力、集中力に優れており、複雑な問題を迅速に理解し解決する能力があります。また、情報を論理的に分析して結論を導き出すことができます。

しかし学習面での成功はモチベーション、時間管理、持続的な努力、適切な学習戦略、感情的知能(EQ)、そして教育や家庭環境などの外部要因も大きく影響します。

 

親の期待の達成

親が自分の子どもが進学すると信じていればいるほど、

子供の学力は高くなります。

親の期待 親の期待の認識 宿題の達成に費やした時間

親が自分の思春期の子どもが進学すると信じていればいるほど、そのような期待に対する思春期の子どもの認識はより明確になり、宿題に費やす時間が長くなるほど、子どもの学力は高くなります。

他の研究結果(Catsambis、2001)と一致して、高い教育への期待は、親が高校以降の青少年の学力達成を継続的に奨励できる強力な方法を構成します。

学歴が高い人々がその地位に至るまでには、個人の能力だけでなく、家族や社会経済的な背景など、多様な要因が影響していることを示唆しています。これらの要因の影響を理解することは、教育の機会均等を促進し、すべての子どもたちが自分たちの可能性を最大限に発揮できるような教育政策や実践を考える上で重要です。

仕事面

ダニエル・ゴールマン氏の研究によれば、効果的な職業パフォーマンスに必要な能力の約67%は感情的能力に関わるものであり、IQや専門知識よりも重要だとされています。これは、さまざまな種類の仕事や組織に適用されます。一方、1970年代以前の研究では、IQテストのスコアと職業パフォーマンスとの間には低い相関(約0.2~0.3)が見られました。職業選択をIQテストに基づいて行うと、経済的にも大きな節約が見込めるという研究もあります。しかし、仕事の評価には主観性が介入しやすく、

年齢や「ハロー」効果の影響を受けるため、

ハロー効果とは

・身長

・顔の魅力 

・無意識の民族的偏見

などの外的要素

パフォーマンスの良し悪しを判断するのは難しいというのが実情です。これらのことから、職業パフォーマンスはIQだけでなく、様々な要素によって影響を受けると考えられます。

 

心の知能指数(EQ)について

心の知能指数(EQ)は、個人の感情を理解し、管理し、それを効果的に使う能力を指します。これには自己の感情を認識しコントロールする能力、他者の感情を感じ取り適切に反応する能力が含まれます。

EQは、人間関係の構築、チームワーク、リーダーシップ、ストレス管理など、仕事や日常生活の多くの面で重要な役割を果たします。高いEQを持つ人は、感情的な課題に柔軟に対応し、より良い社会的関係を築くことができるとされています。

心の知能指数(EQ)について「ただ優しく接すること」と誤解されることがあるので、

まずこちらから説明します。

EQについての誤解

  1. ⼼の知能指数は単に「親切であること」を意味するのではなく、例えば、誰かが避けてきた不快だが結果的な真実を率直に突きつけること
  2. ⼼の知能指数は、感情を⾃由に制御することを意味するものではなく

    むしろ、感情が適切かつ効果的に表現されるように管理し、⼈々が共通の⽬標に向かってスムーズに協⼒できるようにすること。

  3. ⼼の知能指数のレベルは遺伝的に固定されておらず、幼児期に発達するものでもありません。 10代を過ぎるとほとんど変化しないIQとは異なり、⼼の知能指数は主に学習されるようであり、⽣涯を通じて発達し続けます。

 

リーダーシップの側面



リーダーの主な役割は他人が効果的に働けるよう支援することです。

自分自身や他人の感情を理解し、適切に対応する能力はリーダーシップにおいて重要な要素です。対人関係や心の知能指数(EQ)を無視するリーダーは、結果としてチーム全体のパフォーマンスを低下させることになります。

 

悪い例

・同僚や部下の感情や意見を尊重しない、信頼関係を築く努力をしない、人間関係の構築や維持に必要なコミュニケーションスキルを発揮しない

・ストレスや怒りをうまくコントロールできない、他人の感情を察知し理解することができない、感情に基づく意思決定を軽視する


このようなリーダーシップは時間の無駄を作り、攻撃的な態度、モチベーションとコミットメントの低下、そして敵意や無関心を生み出します。リーダーの感情的能力の強さは、彼らがチームの才能を最大限に活かし、組織に利益をもたらすかどうかで測ることができます。

 

大成功を収めた227人のエグゼクティブと、仕事で失敗した23人のエグゼクティブを比較研究しました。彼の研究によると、失敗したマネージャーの多くは専門知識とIQが高かったにも関わらず、彼らの致命的な弱点は心の知能指数にありました。これには傲慢さ、知識への過度な依存、経済的変化に適応できないこと、協力やチームワークを軽んじる態度などが含まれます。

 

会社員として給料を上げるために昇格やリーダーの立ち位置になるためにはIQ(知能指数)だけでなく、EQ(感情知能)も重要であることが分かりました。

他人との関係を築き、協調し、対人関係の問題を解決することができます。また、ストレスや変化に対処する能力も高く、これらは職場での調和と生産性を高めるために不可欠です。したがって、知識や技術的なスキルに加えて、感情的知能を高めることは、職場での成功にとって重要な要素となります。

 

世界の資産保有率について

基本的にはパレードの法則に従い2割の人間が世界の8割の資産を有すると言われている。

富の分布

富の範囲 富(兆ドル) 世界シェア 成人の保有
100万ドル以上 191.6 45.8% 1.1%
10万ドル~100万ドル 163.9 39.1% 11.1%
10,000ドル~100,000ドル 57.3 13.7% 32.8%
10,000 ドル未満 5.5 1.3% 55.0%
合計 418.3 100.0% 100.0%

 

1.1%の人々が世界の45.8%の富を保有

11.1%の人々が世界の39.1%の富を保有

32.8%の人々が世界の13.7%の富を保有

55.0%の人々が世界の1.3%の富を保有

 

12.2%の人々が世界の84.9%富を所有しています。驚きですね。

55.0%の人々は1.3%の程度の富しか保有していません。

 

IQの分布のような分布ではなく、一部の人がほとんどの富を所有していることが分かりました。人々の才能に大きな違いがあったのでしょうか。

 

運について

TALENT VERSUS LUCK: THE ROLE OF RANDOMNESS IN SUCCESS AND FAILURE

https://www.worldscientific.com/doi/abs/10.1142/S0219525918500145

 

一般的に成功の決定要因であるランダム性(運)の重要性は過小評価され

成功がその人の能力や努力のみに基づいているという考え方をされます。

 

経済的な成功は知性 (才能、学校の成績、IQ など) を関連付けることが一般的ですが、実際には考慮すべき幸運な要素が多く、実際には最も裕福な人が必ずしも最も知性が高いわけではなく、必ずしもそうではありません。

 

この現象を正式に捉えるために、40年間(20歳から60歳まで)の仕事人生にわたる集合集団のキャリアの進化をシミュレートした実験です。

 

201×201のパッチを持つ正方形の世界内にランダムに固定位置で配置された個体

N = 1000の人々(エージェント)が存在し、それぞれ異なった知能、スキルなどの異なる才能レベルを持っています。

これらの人々はランダムな軌跡(ランダムウォーク)に従って世界中を動きます。

 

実験のシミュレーション

  • 正方形に存在している人たちは、ランダムな軌跡(ランダムウォーク)に従って世界中を動きます。
  • 縁色の円に触れると幸運なイベントとして、資本は最大2倍に増えます。増える量は才能のに比例します。
  • 赤色の円に触れると不運なイベントとして才能に関係なく、資本は半減します。

期間

  • 労働生活期間は20歳から60歳までの40年。
  • 6ヶ月ごとに、幸運や不運なイベントが発生し、エージェントの状態が更新されます。

 

このように時間を区切ることで、シミュレーションは現実世界の時間の流れを模倣し、キャリアの進展やランダムイベントの影響をよりリアルに表現します。

 

 

IQのように才能の大きさは、図のように分布しています。

数字が多くなるほど、大きな才能を持っています。

0.6平均値で、中程度の才能を持った人が多くいる状態です。

 

縦軸が個人の数で

横軸が資本/成功になります。

 

シミュレーションの結果から

ほとんどの人が資本/成功が0のあたりにいます。

一部の人が資本/成功で大きな値を得ていることが分かります。

 

このことから

資本/成功の分布はパレートの法則に従い、大まかに人口の20%が総資本の80%を所有し、残りの80%が残りの20%を所有するという結果になりました。

 

才能が正規分布しているにもかかわらず、資本や成功の分布が非常に不均等であり、少数の個体が大部分の資源を保有するという現象を示しています。これは、現実の社会や経済における貧富の格差と非常に似た特徴を示しています。

このパネルでは、

縦軸が才能

横軸が資本/成功の関数としてプロットされています

 

図を見ると最も成功している人は才能が0.62あたりの人です。

また10以上成功している人は、才能が0.4以上の範囲で多く見られることが分かります。

 

(対数スケールでの表示)。
才能が高い個体が必ずしも最も多くの資本/成功を得るわけではないことを示しています。

 

このパネルでは資本/成功が才能の関数としてプロットされています。

大きな成功を収めた、才能の人は

0.6

0.66

0.52

0.55

あたりの人が大きな成功を収めていることが分かります。

 

100回シミュレーションした結果

このモデルでは、100回のシミュレーション実行を通じて、最も優れたパフォーマンスを示したエージェントに焦点を当てています。

このエージェントは、平均的な才能 T_best = 0.6 を持ちながら、非常に高い成功C_best = 40,960を達成しました。これは、最も才能のある人々の平均的な成功よりもはるかに大きいもので、その成功の大きさは、才能のある人々の3分の2が達成した成功の4000倍以上にもなります。このエージェントの成功は、彼女が他の人よりも単に幸運だったために生じたものであり、彼女のキャリアを通じて幸運な出来事の連続が彼女の成功に大きく寄与しました。

この結果から、TvLモデルは、その単純さにもかかわらず、私たちの社会での富と成功の分布が、人間の才能のガウス分布とは対照的に大きく不均等であることを説明するのに十分であることが示されています。モデルはまた、大きな才能が必ずしも成功したキャリアを保証するものではなく、むしろ才能が少ない人々がしばしば成功の頂点に達する可能性があることを定量的に示しています。これは、成功が個人の資質や努力だけでなく、運やランダムな出来事によっても大きく影響されることを示唆しており、最も才能がある人々が必ずしも最も成功するわけではないという現実を反映しています。

まとめ

・最も成功した人は最も才能に恵まれた人ではない

・人生で幸運な出来事に(高頻度で)見舞われた人は最終的に大きな富を築いた

・不運な出来事に(高頻度で)遭遇した人は最終的な資産ランキングにおいて底辺に留まった。

 

これらの結果は、成功が才能だけで決まるわけではないことを示す重要な発見です。

運やランダムなイベントも重要な役割を果たします。
シミュレーションで観察される成功の分布は、富や成功がしばしば才能や努力だけに比例して分布していない現実世界の観察と一致しています。
これらの発見は、成功が主に個人の資質や努力によるものであるという一般的な信念に挑戦し、ランダムさや外部要因の影響を強調しています。

参考文献

_Daniel_Goleman__Working_With_Emotional_Intelligenb-ok.xyz_1-libre.pdf

https://d1wqtxts1xzle7.cloudfront.net/57210792/_Daniel_Goleman__Working_With_Emotional_Intelligenb-ok.xyz_1-libre.pdf?1534750124=&response-content-disposition=inline%3B+filename%3DWISDOM_IN_A_NUTSHELL_WORKING_WITH_EMOTIO.pdf&Expires=1703859305&Signature=Iyx39dwwUX8L434WgGaO1mjEFbP0NJwQhf7hX30DDi4X01Vh-HqmsfUIO5jNviA3boVVft8ob~UNxWUA544kQfAg3iP2DMGpJTTF9x2YhiNOPjpxllGKXXcxTFWlEm1MEBd2XHSLLTEI9RkWz5Eh5HZRsU0OKf-5LCWWopmwmr8mlL15L0oFH86eZ2eXNEvFF-FCOOHBu-si3foNpRHHGE26Ifsc896YLr6gvCz6vvreR--Dzy~7ZYXV989mcR5Eofg4ChpcQLvitAQFtklqESciLyrqxVnXUF5l906sHiwFxF7CsbtBnWnD4GfVVa-J1v4zZg9HtQVN41IHoybGNw__&Key-Pair-Id=APKAJLOHF5GGSLRBV4ZA

Does IQ Really Predict Job Performance?

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10888691.2014.983635

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